032:日本共産党
- 作者: 筆坂秀世
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/04/15
- メディア: 新書
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筆坂秀世
共産党No.4でありながら、セクハラ事件により解任、その後離党した筆坂秀世が、自身の経験から共産党を語ったのが本書。
私は、宗教と理想とか思想を強烈に信奉したことがないので、よくわからないのだが。共産主義というのはすごかったらしい。高校の時、歴史の教師が君らはベルリンの壁崩壊が当たり前の世代なんだよなぁ、わしなんて壁が崩れるなんて生きている間に見れるとは思ってなかったと感慨しておられたが、やはりピンとこなかった。ものごころついたころからソ連はダメな国であり共産主義は資本主義に負けたものだったので、ベルリンの壁崩壊って大人たちが騒いでいても、すでに負けていた陣営の敗北が決定的になっただけじゃないのか。とさっぱりだった。
んで、そんな無関心人間だったガキも順調に歳をとって無気力人間になったのだけど。今はなんとなく、あの人たちの気持ちも想像できるかなーとは思ってる。
筆坂秀世の本の中で一番響いたのは、末端党員の苦労・苦境を嘆くところかな。
まあ、私もサラリーマンで、でうちは労組加入率が高いので周りに流されるまま生きてきた無主体性人間である私も加入しているんだけど。うっとうしいんだよね、あれ。
労働組合自体は否定するつもりは全然なくて、むしろその理想には共感するところ大なのだけど。でも労組の政治活動ってのがほんと気にくわん。そりゃ、日本が議会制民主主義だから選挙でがんばるのはわかりますよ。でもね、普段から勉強会とかイベントだとか、それ何の意味があるの?と思ってしまう。
ほんとーに勉強したい人やイベントしたい人がやるのならわかりますよ。でも、全部上部組織からのやれで、たまさか役職割り振られている人が渋々やって、運悪く出会ってしまった組合員が参加させられるという。もうね、仕事だけでも手一杯なんだから、仕事後や休みはじっくり休みたいんですよ。みんな渋々やっていることが、なんで組合の連帯を強めることになるのか。何かをやったという実績作り以外の何の意味があんの?
なんというか、むしろ会社の組織の方が風通しよくて労働組合の組織のほうがネトネトしているというのはどうなん。勝つ気あんのか。
という、もともと信仰心がかけらもないただめんどくさがりの私はどうでもいいとして、マジメに共産主義を信奉している末端の人というのは、私の比じゃないんだろうなー、とは思っていたけど。で、この本読むと、やっぱり悲惨そうだ。
赤旗を増やせという党上層部のかけ声とともに歩きまわる党末端の人*1、選挙での電話勧誘*2、がんばってがんばってがんばった先にあるのは共産党の衰退のみという現実。
そりゃ、その現実を知っている人がいたら嘆きたくんるんじゃないの。
はてな年間100冊読書クラブ032/100