005:霧の日にはラノンが視える

霧の日にはラノンが視える (1) (ウィングス文庫)

霧の日にはラノンが視える (1) (ウィングス文庫)

いかん100冊達成なんてこんなペースじゃムリだっという当たり前の事に気づいたので素早く読めるライノベをいくつか購入。冊数を稼ぎたいときはライノベ三昧の日々にしようと思う。
昔はよく読んだなー、ライノベ。高校生のころだったか。
あの時は、ラムネ&40にはまった友人に影響であかほりさとる読んだり、これまた別の友人の影響で無責任男タイラー@吉岡平を読んだり。*1神坂一は自分で探したのか。よくおぼえてない。
よく読んだっていっても有名どころばっかりだな。ジャンルとして好きなのか、と言われると怪しいかもしれん。あの当時もライノベって言葉あったかな?う〜ん。


それはそうと。あまり期待せずに買ったのだが、あたり。
ファンタジーは苦手な私でも楽しく読めた。ファンタジーでも西洋中世風異世界が舞台ではなく*2現代のロンドンが主舞台。
現代に生きる魔法使いってネタは伝奇物として好きなネタなのだが、難しい。物語の中の魔法というのは超越的な存在であり、だからこそ魅力的なんだが、それゆえ現代が舞台だと扱いに困る。なんでそんな優れた力を持った存在が表に出てこないの?てな話になりそ。まあ、魔道市協会なんてものがあって、むやみやたらな魔法の乱用は禁じられているとか、魔術師は俗世の事など興味がない、とか設定上で規定することはできると思うけど、そういう設定は物語を動かすうえで厳しい縛りになると思う。魔法が重要な小道具として出てくるファンタジー小説を書こうと思った場合。
この小説では、その点がうまく解決されていた。

まず、魔法がばんばんに使える世界がある。これが異世界
んで、その異世界で罰せられた者がうける罰に追放がある。追放される先が現代の現実世界*3
んで、魔法を使うには妖素というものが必要。だが、異世界には普遍的にある妖素は現代の現実世界にはほとんど存在しない。ゆえに、追放された者たちは結束して数少ない妖素を共有して生き延びている。
なので強力な魔法を使える者は存在するが、制約*4があるのでめったなことでは魔法が使えない、という世界ができあがっている。なんのへんてつもない隣人が実は魔法使いだったという世界が生みだされたわけだ。
なるほど、うまいね。と感心した。
これだけ設定に気をつかう作者なので、魔法が出てくるからといってむりやりな物語展開はないし、心おきなく物語世界に没頭できる。楽しかった。
続刊が結構出ているみたいなので読んでみようと思う。
霧の日にはラノンが視える (2) (ウィングス文庫)霧の日にはラノンが視える (3) (ウィングス文庫)霧の日にはラノンが視える (4) (ウィングス文庫)


はてな年間100冊読書クラブ005/100

*1:初期のころのタイラーはすごく好き。アニメ化以降はついていけなくなった。まあしょうがないわな

*2:いや異世界は出てくるのだけど

*3:この話では現代のロンドン

*4:強力な魔法を使うと妖素を大量に消費してしまう。妖素は貴重なのでおいそれと使えない