004:失われた町
- 作者: 三崎亜記
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/11/24
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 35回
- この商品を含むブログ (168件) を見る
もちろんを読んでの購入。あの雰囲気は好き。
どちらが好きかといえば、難しいな。
となり町戦争は初作であるから、込められているものが違う。好き、という観点からならとなり町戦争の方が圧倒的なんだろう。ただ、*1作品としての完成度は、本作の方が上だろうと思う。
三崎亜紀の作品は、独特な設定というか世界観がまずあって、その特異な世界観の中での当たり前の日常が営まれていく。で、最後まで変な世界設定の回答は出てこない。たんたんと変な設定のまま、当たり前であるべき日常が行われていくわけですよ。そこがいい。
んで、となり町戦争では、それが最後まで持たなかったような気がする*2。最後、変な世界観に何らかの着地点を求めてしまったような。そんな気がします。着地点を求めたがるのはわかるし、読者もその方がすっきりするだろうけど、そのままで突き進んで欲しかったなー、ってのがラストを読んでての感想だった。
本書は、物語のラストが冒頭に描かれているように、最後まで着地しません。ストーリー的にはたぶん着地していると見れるでしょうけど。世界観としてはどこへも着地していない。そこらへんすっきりしててい安心して読める。安心して読めるのがいいことかは知らんけど。
はてな年間100冊読書クラブ004/100