023:ジョン平とぼくと

ジョン平とぼくと (GA文庫)

ジョン平とぼくと (GA文庫)

ひさびさにう〜むと出来映えにうなった。すばらしい。

魔法が当たり前にある世界なのだけど、舞台は現代日本。魔法があるせいで科学は冷遇されているわけだけど、存在しないわけではなく世界はビルや車、薬等の物理化学が基礎にある。ただそんな世界に恒常的に魔法があるだけという世界観。

魔法が当たり前の世界で、魔法が苦手な北見重少年が主人公。ここらへんまでの世界設定ですでにやられました。これは絶対おもしろいぞ、とどんどん読み進めていき期待通りの読後感でした。


何か主人公に隠された伝説の力があるわけではなく*1、物語上でも簡単にボーイミーツガールものにはしていない。

当たり前に使えるはずの魔法が使えない自分に世界との齟齬を感じてしまう主人公、休憩時間に学校の化学室で一人すごす主人公。そんな彼と彼のまわりの人たちに降りかかる事件。その過程で少しではあるが成長する主人公。

読書好きな男の子にはぜひ読んでほしい、一冊でした。さっそく2巻を買ってきた。
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はてな年間100冊読書クラブ023/100

*1:正確にはあるというべきなのだろうけど。伝説の力ではなく、“主人公の”力ではないけれど