013:感染症は世界史を動かす
- 作者: 岡田晴恵
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2006/02
- メディア: 新書
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本の内容としては、ペストや梅毒当の感染症が(主にヨーロッパの)歴史にどれだけ影響を与えたかを序盤で述べ、感染症は人の社会に大きな影響を及ぼすものであり、我々にとっても深く考えなくてはいけないものだと説く。本書後半では鳥インフルエンザに関することに言及し、これが社会全体に多大な脅威を与える可能性が高く、早急に対応していかなけらばならないと結論づける。
鳥インフルエンザは興味を持っていたのだが、それは疫学についての興味ではなく、畜産関係によるものが大きかった。だいたいに文系な私では、ウイルス学とか理解できないし。どうにもアルファベットとか数字がならんでいるウイルスの説明見るだけでダメだ。
本書は私の好きな歴史という観点から書いているのでこれなら読めるかな、と手を出したものである。予想通り読めた。
著者の肩書きである国立感染症研究所ウイルス第三部研究員というのを考えると、本書の目的は鳥インフルエンザの脅威の啓蒙なんだろうなー、と思う。や、それ自体は別にどうとも思わないのだけれども、どれだけ効果あるんだろうなーとは思う。これは新書とかそんな感じの本読んだときにいつもおもうことだが。
ま、少なくとも私には役に立った。あれに罹ったら鳥全部処分しなくちゃいけない、人に感染したら死亡率が高いくらいの知識だったんで、新型インフルエンザは抗体を持つ人がいないのであっという間に感染するとか、今まで世界的な大感染を起こしたスペインかぜなどのインフルエンザは、実は毒性が低い型で、今回話題にあがっている鳥インフルエンザは毒性が非常に高く、この毒性のまま鳥インフルエンザから人インフルエンザに変異した場合の被害は過去の大流行よりも甚大になる可能性があるとか、勉強になった。こういった知識は少し調べれば手にはいるのだろうけど、頭に入んないのね。理系的な文章苦手だし、専門用語多いとそれだけで引いちゃうし。その点本書はとっかかりに私の好きな歴史を使っているのですいすい読めた。歴史好きで鳥インフルエンザに興味があるって、そんな人間が私以外にいるかどうかは知らないけど、もしそうなら楽しく読めると思います。
はてな年間100冊読書クラブ013/100
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